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この記事でわかること
- レバレッジ型投信が長期保有で減りやすい仕組み
- 「2倍のレバレッジ=2倍儲かる」ではない理由
- 新NISAで対象外になっている背景と確認すべき点
この記事の目次
レバレッジ型は「2倍儲かる」商品なのか
「レバレッジ型(レバナスなど)は値動きが2倍だから、そのぶん儲かるんでしょう?」という声をよく見かけます。名前のインパクトが強く、SNSでも話題になりやすい商品です。
私も最初は「上がるときに2倍取れるなら効率がいいのでは」と思っていました。ですが調べていくと、長期で持つと逆に資産が目減りしやすいという、名前だけでは分からない仕組みがあることに気づきました。ここを知らずに長く持つと、思っていた結果と大きくズレることがあります。
短期の値動きを2倍にする商品で、長期保有には向きにくい
先にこの記事の要点をお伝えします。レバレッジ型は「1日の値動き」を2倍(や3倍)にするよう設計された商品で、長期でそのまま持つと、値動きが激しいほど価値が少しずつ削れていく性質があります。
金融庁も、レバレッジ型・インバース型のような短期の値動きを追う商品を新NISAの対象から外しています(2026年7月25日時点で金融庁の公表資料を確認)。「長期・積立・分散」という制度の考え方と相性がよくない、というのがその理由です。
レバレッジ型投資信託とは何か
レバレッジ型投資信託とは、対象となる指数(たとえば米国のナスダック100など)の1日の値動きに対して、2倍や3倍の値動きになるように運用される商品です。「レバレッジ」はてこの意味で、少ない値動きを大きく増幅させるイメージです。
ここで大切なのが「1日の」という部分です。連動するのはあくまで1営業日ごとの値動きで、2日以上になると必ずしも2倍にはなりません。毎営業日、倍率を保つために中身を売買して調整(リバランス)しているためです。
下の表は、通常のインデックス型とレバレッジ型のおおまかな違いです。
| 項目 | 通常のインデックス型 | レバレッジ型(2倍) |
|---|---|---|
| 連動の対象 | 指数の値動きにほぼ1倍 | 指数の1日の値動きに2倍 |
| 長期保有 | 向いているとされる | 向きにくいとされる |
| コスト | 低め(年0.1〜0.2%程度も) | 高めになりやすい |
| 新NISA | 対象商品が多い | 高レバレッジ型は対象外 |
出典:金融庁「NISA対象商品の考え方」・各社目論見書をもとに作成・2026年
「2倍のレバレッジ=2倍儲かる」ではない理由
一番誤解されやすいのが、「レバレッジ2倍なら、リターンも2倍になる」という考え方です。実際には、値動きが上下に揺れるほど、レバレッジ型は元の指数より不利になりやすいという特徴があります。これは「減価(ボラティリティ・ディケイ)」と呼ばれます。
かんたんな数字で見てみます。ある指数が1日目に10%下がり、翌日に約11%上がって、ちょうど元の値に戻ったとします。
1つ目は、元の指数です。10%下げて約11%戻れば、価値はほぼ元どおり(±0%)に戻ります。
2つ目は、2倍のレバレッジ型です。1日目は20%下落、2日目は約22%上昇と、値動きは2倍になります。ところが計算すると、往復したあとの価値は約-2.2%と、指数が元に戻ったのにマイナスが残ってしまうのです。
この「行って戻る」動きが何度も繰り返されると、差はさらに広がります。同じ往復を5回繰り返すと、指数は横ばいのままなのに、2倍レバレッジ型は約-10.6%まで削られる計算になります。
なお、これはあくまで仕組みを説明するための単純化した例です。実際の値動きは日々変わりますが、「上下の揺れが大きいほど不利になりやすい」という方向性は変わりません。
私がレバナスを調べて立ち止まった理由
私自身、積立を始めて少し慣れてきた頃に、「レバナス」という言葉が気になって調べたことがあります。SNSでは大きく増えた人の声が目立ち、正直なところ心が動きました。
ですが目論見書とコストの欄を見てみると、通常のインデックス型より手数料が高めに設定されていて、さらに前述の減価の仕組みがあることが分かりました。毎月コツコツ積み立てて長く持つ、という自分のやり方とは前提が違う商品だと感じ、いったん見送ることにしました。コストの見方については、購入時手数料(ノーロード)とは?初心者向けの確認ポイントでも触れています。
レバレッジ型の注意点・デメリット
魅力的に見えるレバレッジ型ですが、初心者が長期保有を前提に持つ場合、次のような注意点があります。
1つ目は、これまで見てきた減価です。相場が揺れるほど、長期では元の指数に負けやすくなります。
2つ目は、コストの高さです。倍率を保つための売買や金利のコストがかかるため、通常のインデックス型より信託報酬などが高めになりやすい傾向があります。
3つ目は、暴落時のダメージの大きさです。値動きが2倍ということは、下落も2倍です。指数が30%下げれば、単純計算で60%近く下がることもあり、精神的にも持ち続けるのが難しくなりがちです。値動きの大きい商品を持つほど、手元の余裕資金の準備が大切になります(生活防衛資金はいくら?投資前に残すお金の目安で解説しています)。
4つ目は、新NISAでは高レバレッジ型が対象外である点です。非課税の恩恵を受けながら長期でコツコツ、という使い方には基本的に組み込めません(2026年7月25日時点で金融庁資料を確認)。制度の全体像はSBI証券×新NISAの始め方 完全ガイドで解説しています。
買う前に確認したいチェックリスト
- □ その商品が「1日の値動きの何倍」に連動するのか目論見書で確認したか
- □ 信託報酬などのコストが、通常のインデックス型と比べてどのくらい高いか見たか
- □ 相場が上下に揺れると減価しやすい仕組みを理解したか
- □ 暴落時に値動きが2倍になることを受け入れられるか考えたか
- □ 新NISAの対象かどうかを確認したか
- □ 長期保有ではなく短期の値動きを狙う商品だと理解しているか
よくある質問
まとめ
レバレッジ型は「1日の値動きを2倍にする道具」で、長期でそのまま持つと、値動きの揺れやコストによって元の指数に負けやすい仕組みがあります。「2倍のレバレッジ=2倍儲かる」という単純な話ではない、という点がいちばんの注意ポイントです。
新NISAで対象外になっているのも、長期の資産形成という目的と相性がよくないからだと整理できます。名前のインパクトやSNSの声だけで判断せず、目論見書とコスト、そして減価の仕組みを確認したうえで、自分の目的に合うかを考えると選びやすくなります。
まずは自分がどんなスタイルで投資をしたいのかを起点に、一緒に少しずつ学んでいきましょう。
