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この記事でわかること
- 全部売却の指定方法と、証券会社ごとの項目名の違い
- 全部売ったのに残高が残る3つの原因
- 注文を出す前に確認したい6項目
この記事の目次
全部売ったはずの銘柄が、残高欄に残っていました
保有している投資信託を一度きれいにゼロにしたい。そう思って売却画面を開くと、「金額」「口数」「全部」といった選択肢が並んでいて、どれを選べば全部売れるのか迷います。
私も最初にここで手が止まりました。さらにやっかいなのは、全部売ったつもりの銘柄が、数週間後にまた残高欄に現れることがある点です。操作を間違えたわけではなく、投資信託の仕組み上そうなる場面があります。
この記事では、全部売る注文の出し方と、残高が残る原因を証券会社の公式ページで確認しながら整理しました。
全部売る方法は2通りあります
投資信託を全部売る方法は、大きく2つに分かれます。
1つ目は、証券会社が用意している「全部売却」「全売却」といった専用の選択肢を選ぶ方法です。保有している口数がいくつあっても、システム側が全量を計算してくれます。
2つ目は、口数指定の画面で保有口数をそのまま入力する方法です。手入力になるぶん、桁の打ち間違いに注意が必要になります。
この「値段が後で決まる」点は、全部売るときも一部売るときも共通です。日付の数え方は投資信託の約定日はいつ?15時締切の数え方で解説しています。
SBI証券と楽天証券で、選択肢の名前が違います
同じ「全部売る」操作でも、画面に出てくる言葉は証券会社によって違います。2026年9月28日時点で各社の公式操作ガイドを確認した内容を整理しました。
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 全部売る選択肢 | 「取引種別」で金額売却を選び「全売却」 | 売却方法で「全部売却」 |
| 一部売る指定 | 金額売却の「指定売却」/口数売却 | 「一部売却」で金額指定・口数指定 |
| 金額指定の単位 | 100円以上1円単位 | 金額を入力 |
| 口数指定の単位 | 100口以上1口単位 | 口数を入力 |
| 注文可能金額 | 評価額×95%の範囲内 | 画面の案内に従う |
出典:SBI証券「ファンドを売却する|投資信託 取引 操作ガイド」・楽天証券「売却注文 操作ガイド」2026年9月28日時点で公式サイトを確認
表で目を引くのが、SBI証券の注文可能金額が評価額×95%という点です。金額を指定して売る場合、評価額の満額は入力できません。基準価額が動いても足りなくならないよう、余裕を持たせた設計になっていると読み取れます。
つまり、金額指定で「評価額と同じ金額」を入れて全部売ろうとしても、その注文は通りません。全部売りたいときは、金額を手入力するのではなく専用の選択肢を使うほうが確実です。
100口未満だけを残す売り方はできません
口数指定で売るときに、もう1つルールがあります。SBI証券の操作ガイドには、売却口数は100口以上1口単位で、保有種別が口数保有の場合は売却後の保有口数が100口未満となる売却はできない、と記載されています(2026年9月28日時点で公式サイトを確認)。
たとえば保有が10,050口のときに10,000口だけ売ると、残りが50口になってしまうため注文が通りません。このケースでは全部売るか、9,900口までに抑えるかの二択になります。
一部だけ売る場合の口数と金額の使い分けは、投資信託の一部売却は口数と金額どっち?で解説しています。
全部売ったのに残る3つの原因
ここからが本題です。全部売却を出したのに残高が消えない、あるいは後から復活する原因は、私が調べた範囲では次の3つに整理できました。
1つ目は、受渡が終わっていない買付分です。全部売却の注文は、その時点で確定している保有分を対象にします。数日前に出した買付注文がまだ受渡前だと、その分は売却の対象に入らず、後から残高として積み上がります。
2つ目は、分配金の再投資分です。分配金を再投資するコースにしていると、決算日ごとに分配金が自動で買い付けられます。売却した後に決算日が来れば、そのタイミングで新しい口数が生まれます。
3つ目は、積立設定が生きていることです。SBI証券のFAQには、積立設定の解除をしても保有中の投資信託は売却されないと記載されています(2026年9月28日時点で公式サイトを確認)。売却と積立設定は別々の手続きなので、裏を返せば売却しても積立設定は止まりません。
SBI証券の場合、積立設定の確認と解除は「投資信託」>「積立設定」>「積立設定一覧」から行えると公式FAQに記載されています。複数銘柄を選んで一括で解除する操作も案内されています(2026年9月28日時点で公式サイトを確認)。積立の止め方そのものはNISAの積立を止めたらどうなる?3つのやめ方で解説しています。
注意点・誤解しやすい点
全部売る前に知っておきたい点を4つ挙げます。
第一に、売却代金はすぐには使えません。約定日から数えて数営業日後の受渡日にならないと、出金も次の買付もできない状態が続きます。支払いの予定に合わせて売るなら、この日数を逆算する必要があります。受渡日の数え方は投資信託を売ったお金はいつ入る?受渡日の数え方で解説しています。
第二に、利益が出ていれば課税されます。特定口座(源泉徴収あり)なら証券会社が計算してくれますが、受け取る金額は税引後になります。
第三に、ファンドによっては売るときに信託財産留保額が差し引かれます。全部売るときは対象になる金額も大きくなるため、事前の確認が効いてきます。仕組みは信託財産留保額とは?売る時に引かれる0.3%で解説しています。
第四に、NISA口座で売った場合、非課税枠がその場で使えるようになるわけではありません。戻る時期には決まりがあります。詳しくは新NISAは売ると枠が復活する?戻る時期と注意点で解説しています。
売る理由が「他の銘柄に移したいから」であれば、全部売ってから買い直す以外の方法もあります。先に積立設定を変えてから、保有分をどうするか決めるという順番にすると、空白期間を作らずに済みます。
全部売る前に確認する6項目
注文を出す前に、私はこの6つを見るようにしています。
- □ 受渡が終わっていない買付注文が残っていないか
- □ 積立設定が解除されているか(設定一覧で確認)
- □ 分配金の受取方法が再投資コースになっていないか
- □ 当日の注文締切時刻を過ぎていないか
- □ 信託財産留保額が差し引かれるファンドか
- □ 売却代金が口座で使えるようになる受渡日はいつか
全部にチェックが入ってから注文を出せば、「全部売ったのに残っている」という事態はかなり減らせます。
よくある質問
まとめ:注文画面より先に、設定一覧を見る
全部売る操作そのものは、専用の選択肢を選ぶだけで終わります。つまずきやすいのは操作ではなく、売却と積立設定・分配金コースが別々に動いているという構造のほうでした。
残高が残る3つの原因は、受渡前の買付分・分配金の再投資分・生きている積立設定です。どれも売却画面には出てこないので、注文を出す前に設定一覧を開く習慣にすると防げます。
次の一歩としては、保有銘柄を全部売るかどうかを決める前に、自分の積立設定と分配金コースがどうなっているかを1度だけ確認してみてください。売る・売らないの判断は、そこが分かってからでも遅くありません。
まだ口座を開くところから整理したい方は、SBI証券で新NISAを始める完全ガイドで申し込みの順番を解説しています。売買の全体像は投資信託の買い方・売り方|注文から受渡までの流れにまとめています。
一緒に少しずつ学んでいきましょう。
この記事は、新NISAでつみたてを実践中の運営者 sakama が、2026年9月28日時点で金融庁・証券会社の公式情報を確認して作成しています(運営者情報・編集方針)。
