NISAの含み損はどうする?積立を続けるべき3つの理由

📋 この記事でわかること

  • 含み損は「まだ損が確定していない状態」であり、売らなければ損失は実現しないこと
  • 暴落時に積立を止めると、ドルコスト平均法の効果が失われてしまうこと
  • 金融庁のデータでは、20年以上保有すると損失リスクがほぼゼロになること

📋 この記事の目次

「含み損」が出て、夜も眠れなかった話——この記事を書いたきっかけ

積立NISAを始めてしばらくたったある日、スマートフォンで証券口座を開いたら、画面に「-15,000円」という数字が表示されていました。

「えっ、損している……。どうしよう」

そんな経験をした方は少なくないと思います。私もはじめて含み損を目にしたとき、「このまま売ったほうがいいのか、続けたほうがいいのか」と迷い、ネットで調べまわりました。

この記事は、そのときに調べてわかったことを初心者目線で整理したものです。特定の商品をすすめるものではなく、「考え方の整理」として読んでいただければ幸いです。

そもそも「含み損」って何?——まずここを整理した

含み損の定義をやさしく言うと

「含み損」とは、現在保有している投資商品の評価額が、購入したときの金額を下回っている状態のことです。

たとえば、1万円で買った投資信託が8,000円になっていたとすると、この時点での「含み損」は2,000円です。ただし、まだ売っていないので、この2,000円の損失は「まだ確定していない」のです。

状態 意味
含み損 保有中・まだ売っていない・損失未確定
確定損失 売却した・損失が実際に確定した
(投資用語の基本整理・2026年)

売らなければ損失は確定しません。これが、含み損を理解するうえでもっとも大切なポイントです。

なお、NISAのコスト(信託報酬)についても事前に理解しておくと安心です。信託報酬って何?NISAで失敗しないコスト選びの基本もあわせてご参照ください。

💡 ポイント: 含み損は「帳簿上の損失」であり、売却しなければ実際のお金は減っていません。
投資商品の価格は毎日変動するため、評価額が下がっても「売らなければ損は確定しない」というのが基本の考え方です。

なぜ含み損になるのか

投資信託の価格(基準価額)は、世界中の株式市場や経済の状況によって毎日変動します。景気の悪化、金利の上昇、地政学的リスクなど、さまざまな要因で一時的に価格が下がることがあります。

これは避けられないことであり、長期投資を前提とした積立NISAでは「ある程度の価格変動は想定の範囲内」として設計されています。

データで見る——長期投資と含み損の関係

長期投資と含み損のデータ

保有期間が長いほど損失リスクは下がる

金融庁が公表しているデータによると、投資信託を保有した期間別に収益率を調べたところ、次のような傾向がわかっています(国際分散投資の場合)。

保有期間 損失が出た割合(概算)
1年 約30%のケースでマイナス
5年 約10〜15%のケースでマイナス
20年以上 ほぼ0%(損失なし)
(金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」参考・2024年)

この表は「長く持つほど、損になりにくい」という傾向を示しています。もちろん過去のデータは将来を保証するものではありませんが、長期積立投資の設計思想を理解する参考になります。

注意: このデータは過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
投資には元本割れのリスクがあり、損失を完全に防ぐことはできません。

実際の投資事例で確認してみましょう

30代会社員のBさんのケース

Bさんは毎月2万円をeMAXIS Slim全世界株式に積み立てていました。始めて1年後に世界的な株価下落があり、評価額が元本より10%ほど下がりました。

「もう売ろうかな」と思いましたが、ドルコスト平均法の仕組みを調べ直し、積立を継続することにしました。その後、2年ほどかけて株価が回復し、最終的にはプラスで評価されるようになったといいます。

ラボちゃん
🎤 ラボちゃん私も含み損を初めて見たときは本当に焦りました。でも「下がっているときこそ安く買えている」と気づいてから、少し気持ちが楽になったんです。積立投資の本質は「値動きを気にしすぎないこと」だと思っています。

暴落時に積立を「止める」とどうなるの?——ドルコスト平均法で考える

ドルコスト平均法のしくみをおさらい

「ドルコスト平均法」とは、価格に関係なく毎月一定額を積み立てる手法です。価格が下がれば多く買え、上がれば少なく買う、この繰り返しによって平均購入単価を抑える効果が期待できます。

基準価額 購入口数
1月 10,000円 200口
2月(下落) 8,000円 250口
3月(さらに下落) 6,000円 333口
4月(回復) 9,000円 222口
(月2万円積立・仮定の例)

下がったときほど多くの口数を購入できるため、回復時の利益が大きくなりやすいのです。

暴落時に止めるとこの「恩恵」を逃す

積立を止めてしまうと、価格が下がっている期間に多くの口数を買うチャンスを失います。楽天証券の試算によると、下落時に積立を止めたグループと継続したグループでは、5年後の資産額に大きな差が生じたというデータもあります(楽天証券「下落時の投資の仕方」)。

💡 ポイント: 下落時こそ「安売りセール」と考えることができます。
ただし、これはあくまで長期投資を前提とした考え方です。生活費まで投資に回している場合は別の検討が必要です。

含み損への対処で「やってはいけないこと」

感情的に売ってしまう

下落が続くとパニック売りをしたくなりますが、売却すると含み損が「確定損失」に変わります。その後株価が回復しても、売ってしまった後では恩恵を受けられません。

毎日証券口座を確認してしまう

短期の値動きを気にしすぎると、精神的に消耗します。積立NISAは長期運用が前提のため、毎月1回の確認で十分と言われています(三菱UFJ信託銀行「積立投資のやめ時・売り時」)。

生活費を取り崩してまで積立を続ける

含み損の回復を待つために生活費まで切り崩すのは危険です。投資は「余裕資金」の範囲で行うのが大原則です。積立額を一時的に減らすことも選択肢のひとつです。

含み損が出たときのチェックリスト

□ その損失は「含み損(未確定)」ですか?「確定損失」ですか?

□ 投資しているお金は「余裕資金」ですか?生活費ではありませんか?

□ 投資期間は10年以上を想定していますか?

□ 今の積立額は家計を圧迫していませんか?

□ 売却する前に「なぜ下がっているのか」を調べましたか?

□ 感情的になっていませんか?少し時間をおいて考えましたか?

□ 生活防衛費(3〜6ヶ月分の生活費)は別で確保できていますか?

❓ よくある質問

❓ 含み損が出ていても非課税枠は使われていますか?
✅ はい、NISAの非課税枠は「購入金額」をもとに消費されます。含み損が出ていても、購入時の金額分の枠が使用された状態です。売却すると枠は翌年に回復します。
❓ いつになったら含み損は回復しますか?
✅ 特定の時期を予測することはできません。過去のデータでは長期保有するほど回復の可能性が高まる傾向がありましたが、将来を保証するものではありません。
❓ 含み損が大きくなりすぎたら損切りすべきですか?
✅ 「何%以上なら損切り」という明確なルールはありません。ただし、生活費が必要な場合や、投資商品そのものの方針が大きく変わった場合などは、売却を検討する理由になり得ます。
❓ 積立を一時的に止めてもいいですか?
✅ 生活が苦しい場合は積立額を減らすか一時停止することも選択肢です。「ゼロか全額か」で考える必要はありません。どの商品を選ぶかで迷っている方はオルカンとS&P500 2026年NISA徹底比較——どちらを選ぶ?もご参考にどうぞ。

まとめ——含み損と上手に向き合うために

NISAの含み損まとめインフォグラフィック

含み損は積立投資をしていれば避けて通れない経験です。大切なのは、次の3点です。

  • 含み損は「まだ確定していない損失」であり、売らなければ実現しない
  • 暴落時こそ、ドルコスト平均法の効果が発揮されるタイミング
  • 長期保有のデータは「時間が損失リスクを下げる」傾向を示している

もちろん、投資に絶対はありません。「続けることが正解」と断言することもできません。大切なのは、自分のリスク許容度と投資目的を理解したうえで、判断することです。

NISAをより活用したい方は、iDeCo完全ガイド2026——節税効果と新NISAとの違いを徹底解説もあわせてご覧ください。

一緒に少しずつ学んでいきましょう。


免責事項: この記事は投資の勉強・情報収集を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。実際の投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
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