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この記事でわかること
- 成長投資枠で買えない商品の4タイプ
- 使い道として考えられる4つのパターン
- 枠を埋めないという選択肢の考え方
この記事の目次
- ▸ 成長投資枠の使い道は大きく4つ
- ▸ 成長投資枠の基本ルールと数字
- ▸ 成長投資枠で買えない4つのタイプ
- ▸ 整理銘柄・監理銘柄
- ▸ 信託期間が20年未満の投資信託
- ▸ 毎月分配型の投資信託
- ▸ デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
- ▸ 使い道4パターンを比べてみる
- ▸ つみたて投資枠と同じ投資信託を追加する
- ▸ 個別株を買う
- ▸ 高配当ETFやREITを買う
- ▸ あえて使わずに残す
- ▸ 先に知っておきたい注意点
- ▸ 決める前に確認したいこと
- ▸ よくある質問
- ▸ Q. 成長投資枠を使い切らないと損をしますか?
- ▸ Q. つみたて投資枠と同じ投資信託を成長投資枠で買ってもいいですか?
- ▸ Q. 成長投資枠で買える商品かどうかはどこで分かりますか?
- ▸ Q. 成長投資枠だけで1,800万円を埋められますか?
- ▸ まとめ
つみたて投資枠のほうは、わりとすんなり決まりました。毎月いくら、この投資信託で、と設定してしまえば、あとは自動です。
問題はもう一方でした。成長投資枠という枠が口座の中に用意されているのに、そこだけがずっと空白のままだったのです。何を入れればいいのか分からず、かといって空いているのを見るのも落ち着かない。同じところで止まっている人は、たぶん少なくないと思います。
この記事では、成長投資枠に何が入れられて何が入れられないのかを、金融庁の情報をもとに確認していきます。
成長投資枠の使い道は大きく4つ
成長投資枠に入れられるものは、実はかなり幅があります。そのうえで、初心者が現実的に取りうる使い道は4つくらいに集約されます。
1つ目は、つみたて投資枠と同じ投資信託を追加で買う方法です。
2つ目は、個別株を買う方法です。
3つ目は、高配当ETFやREITなど、つみたて投資枠では選べない商品を買う方法です。
4つ目は、あえて使わずに残しておく方法です。
そして候補を絞るときの近道は、「何を買うか」より先に「何が買えないか」を知ることでした。金融庁は成長投資枠から4つのタイプの商品を除外しています。ここを外すだけで、迷う対象がかなり減ります。
成長投資枠の基本ルールと数字
まず制度の輪郭を押さえておきます。新NISAには2つの枠があり、併用ができます。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間の投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯の上限 | (総枠1,800万円) | 1,200万円まで |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 買える商品 | 金融庁の基準を満たす投資信託等 | 上場株式・投資信託・ETF・REIT等(一部除外あり) |
| 買い方 | 積立のみ | 積立・一括どちらも可 |
出典:金融庁「NISAを知る」・2026年8月26日時点で公式サイトを確認
年間で見ると、2つを合わせて最大360万円まで投資できます。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠として使えるのは1,200万円までという内訳です。
ここで見落とされやすいのが、成長投資枠だけで1,800万円を埋めることはできないという点です。1,200万円を超える部分は、つみたて投資枠で買う必要があります。
2つの枠の役割の違いそのものについては、新NISAの2つの枠、積立と成長の違いで解説しています。
制度自体は恒久化され、非課税で持てる期間にも期限がありません。つまり、今年中に決めなければ枠が消える、という性質のものではないわけです。
成長投資枠で買えない4つのタイプ
ここが今回の本題です。成長投資枠は「なんでも買える枠」ではありません。金融庁は次の4タイプを対象から外しています。
整理銘柄・監理銘柄
上場廃止が決まった銘柄を整理銘柄、上場廃止の基準に触れるおそれがある銘柄を監理銘柄と呼びます。長期の資産形成に向かないうえ、値動きだけを狙った売買を招きやすいという理由で除外されています。
信託期間が20年未満の投資信託
信託期間とは、その投資信託が運用される予定の期間のことです。20年より短く設定されているものは、長く持ち続ける前提と噛み合わないため対象外になっています。
毎月分配型の投資信託
毎月分配型は、分配金が運用の成果からではなく元本部分から支払われる場合があります。受け取っている感覚はあっても資産が増えていないことがあり、長期の資産形成には向かないとされています。仕組みの詳細は毎月分配型は危ない?分配金の落とし穴で解説しています。
デリバティブ取引を用いた一定の投資信託
いわゆるレバレッジ型・インバース型が代表例です。日々の値動きを何倍かに増幅する設計のため、長く持つほど想定と違う結果になりやすい特徴があります。この仕組みについてはレバレッジ型投信はなぜ長期で減る?で解説しています。
なお、成長投資枠で買える投資信託の一覧は、資産運用業協会のサイトで公開されています。気になる商品があるときは、証券会社の画面で「成長投資枠 対象」と表示されているかを確認するのが手軽です。
使い道4パターンを比べてみる
除外分を外したうえで、残る選択肢を並べてみます。
つみたて投資枠と同じ投資信託を追加する
一番シンプルな方法です。つみたて投資枠の年120万円では足りない場合に、同じ商品を成長投資枠でも買い増すという使い方になります。管理する商品が増えないので、家計の管理も楽になります。
ただし同じ商品を2つの枠で持つと、中身が完全に重なります。分散が増えるわけではない点は理解しておく必要があります。
個別株を買う
つみたて投資枠では買えない個別株は、成長投資枠なら購入できます。配当や株主優待を受け取れる一方で、1社の業績に結果が左右されます。
高配当ETFやREITを買う
定期的に分配金を受け取りたい場合に検討されることが多い選択肢です。ただし分配金には再投資に回らない分だけ複利が効きにくくなる面もあります。
あえて使わずに残す
意外と語られませんが、これも立派な選択肢です。制度が恒久化され保有期間も無期限になった以上、急いで埋める理由は制度上はありません。
生活防衛資金が十分でない状態で枠を埋めることのほうが、家計にとってはリスクになり得ます。
| 使い道 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 同じ投信を追加 | 年120万円では足りない | 中身が重複し分散は増えない |
| 個別株 | 特定の企業を応援したい | 1社に結果が左右される |
| 高配当ETF・REIT | 分配金を受け取りたい | 複利が効きにくくなる面がある |
| 使わず残す | 現金の余裕が少ない | 特になし(枠は消えない) |
出典:当ブログにて金融庁公表資料をもとに作成・2026年
私自身は、しばらく4つ目を選んでいました。枠を前にして何度か注文画面まで進んだものの、結局その月は何も買わずに閉じています。今振り返ると、埋めること自体が目的になりかけていて、何のために買うのかが自分の中で決まっていなかったのだと思います。
同じ投信を追加するか迷ったときは、中身の重複という論点が関わってきます。この点はオルカンとS&P500は両方いる?重複と米国比率で解説しています。
先に知っておきたい注意点
使い道を決める前に、つまずきやすい点をまとめておきます。
まず、一度使った枠はその年のうちには戻りません。商品を売却した場合、復活するのは簿価(買ったときの金額)の分で、しかも翌年以降になります。この仕組みは新NISAは売ると枠が復活する?戻る時期と注意点で解説しています。
繰り返しになりますが、成長投資枠の生涯上限は1,200万円です。総枠1,800万円との差である600万円分は、つみたて投資枠でしか埋められません。成長投資枠を優先して使い切ると、あとから調整しづらくなる可能性があります。
そして、年間240万円という枠の大きさに引っ張られないことです。枠は「使ってよい上限」であって「使うべき金額」ではありません。
決める前に確認したいこと
- □ つみたて投資枠のほうは設定済みか(先にこちらを固める)
- □ 買おうとしている商品が成長投資枠の対象になっているか
- □ その商品を持つ目的を一文で説明できるか
- □ すでに持っている商品と中身が重複していないか
- □ 生活防衛資金を取り崩さずに投資できる金額か
- □ 成長投資枠の生涯上限1,200万円を把握しているか
よくある質問
まとめ
ここまでの要点です。
除外されているのは整理・監理銘柄、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型、デリバティブを用いた一定の投資信託の4タイプです。使い道は、同じ投信の追加、個別株、高配当ETF・REIT、使わず残す、の4パターンに分けられます。
そして枠の大きさは、埋めるべき目標ではなく上限にすぎません。年240万円・生涯1,200万円という数字は、自分の家計とは無関係に決まっているものです。
次の一歩としては、証券会社の口座画面で成長投資枠の残りを確認し、買おうとしている商品に対象表示があるかを見るところからで十分だと思います。
なお、そもそもNISA口座をどこで開くかがまだ決まっていない場合は、申し込む入口や順番によって受け取れる特典が変わることがあります。あとから変更するには年単位の手続きが必要になるため、最初の段階で確認しておくと後悔が少なくなります。SBI証券で新NISAを始める完全ガイドで解説しています。
一緒に少しずつ学んでいきましょう。
